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 W-Wallet 無機質ボード類


1. 基材と特徴

2. 石膏ボード類

3. ケイ酸カルシウムボード
  類

4. 1ロックウールボード類

5. スレートボード類

6. 各種ボード類のメーカー

      
 1. 無機質ボード類@ 基材と特徴

 無機質という言葉は一般的に、温かみの無いとか、生命感がないなどの意味合いで良く使われる言葉です。この無機質には建築に関して言えば、コンクリートとか鉄やアルミ、プラスチックなどが上げられます。それは、人間が合成して出来たものである事が殆どです。

 それに比して、有機質は例えば木材や珪藻土や土塗りなど、自然に存在しており、人の生活に馴染みながら壊れやすいものの、修復も容易であるような、いわば生きものの感触があります。

 今回取り上げるものは、冒頭の無機質な建築材料の内の無機質のボードに関するものです。


 ボードは建築材料においては、本来は木の板に用いられる名称です。
しかし、現在では他の有機質,無機質の材料を加工した板状製品を総称してボード類というようになっています。



 建築物に用いられるボード類は仕上げ材や最終仕上げの直前の下地として非常に多くの製品があります。その無機質のボードを分類すると大きくは3つとなります。

 当特集では、それらの主な無機質のボードの製品についてのみ解説していきます。使われる個所等については、例えば壁や天井についてはそれらの特集のページで扱います。

 なお、取り上げる範囲は有機質である木質系のボード類、無機質であっても波板とサイディングは含みません。

有機質の建築材料である木製品については、本サイトの特集の「合板」を御覧ください。


 それでは、最初に無機質のボード類の基材を4種類に分けて考察します。



 ■ 無機ボード類の基材の種類と特徴

 ここで取り上げる無機質ボード類の基材について、主な種類に何があるのかを取り上げ、その後のページで、それぞれを個別に詳解していきます。基材とは、製品の元となる材料のことです。


建築用のボード類の基材

@ 石 膏         

 化学的には硫酸カルシウム(CaSO4)に水(H2O)が結合した結晶を石膏といいま
す。硫酸カルシウムは、自然界に多く存在しています(天然石膏という)。しかし不
純物があり、科学的に合成されたものはそれがありません(化学石膏という)。

 石膏は、身近なものでは骨折でその部分を固定するために布と共に固める時に
用いられます。また、黒板に書く時のチョークやグランドの白線などにも使われま
す。

 石膏はリサイクルが可能な材で、化学反応が遡及可能です。これは、繰り返し使
えるということです。今の時代の要求にマッチした優れた材料と言えます。

遮音性

騒音は"公害"の一つとして取り上げられる状況の中で、石膏ーボードは有効な遮音性能を発揮する遮音壁の材料として、ホテル、マンション、病院などの壁に広く使われています。
防火性
耐火性

石膏ボードとして用いた壁は、火災などの高温にさらされると化学的に結合した結晶水が水蒸気となり徐々に放出されます。いわばスプリンクラーを内蔵した防火、耐火性能を有する壁となります。

不燃性

石膏ボードとして成形された製品は、建築基準法に適合する不燃性能を有しています。つまり、加熱により煙、有毒ガスの発生もありません。
断熱性

せっこうは、熱伝導率が比較的低いので、冬は室内の暖かさを戸外に逃がすことがなく、夏は外の熱気の侵入を防ぎ、冷暖房の効率を高めます。

施工性

切断、釘打ち、ビス留め、クリップ留め、接着工法とも簡単で、切断は特殊な道具を必要とせず、文具用のカッターで容易に切断できます。仕上げもペイント塗装、壁紙、クロス張りなど広い応用範囲を持っています。

無収縮性

温度、湿度の影響による変形がほとんどありませんから、施工後の反り、目地部に隙間などを生じません。




石膏石(英名:プラスター)



石膏の粉末
 





A ケイ酸カルシウム

 ケイ酸カルシュウムは農作物の肥料や土壌の改良などとして市販されており安全性に優れています。

 建築の材料としての精製は石灰(主として消石灰)と「珪藻土」等をけい酸質原料に補 強繊維を混ぜ、水で溶き、紙をつくる時のように抄造(すきとり)板状とし、オ ートクレーブでケイ酸カルシウム水和物を生成させます。 江戸の昔から石灰は火災予防上から重要な左官材料でした。

 消石灰に「角又(つのまた)」等の糊材と「麻づた」等の繊維を混ぜて壁に塗る「しっくい塗り」が長い間使われてきました。壁に塗りつけられて消石灰は空気中の二酸化炭素を吸収して炭酸カルシウムに変化し、強固な壁ができるのです。

 角又は海藻で鹿の角のような股に似た形状をしており、食用より壁土に混ぜて用いられていました。

断熱性

微細構造をしており、結晶内部に多くの空隙を有しています。この構造が、保温性、断熱性があるなどの、けい酸カルシウムの特徴を生み出しています。

保温性

ボイラーや各種機器配管の保温や断熱材として用いられるものです。作り方には、ケイ酸カルシウム板と似ていますが、微細な気孔をもつ軽い成形 体とするための工夫がなされています。

耐火性
不燃性

けい酸カルシウムの水和物は、加熱された際に水和水が脱水し、その気化熱のために、材料の温度上昇を遅らせる効果があります。このため、けい酸カルシウムには、不燃性や耐火性といった性質もあります。

軽量性

けい酸カルシウムは、微細構造をしており、結晶内部に多くの空隙を有しています。この構造が軽量にさせいます。




二酸化ケイ素(別名:シリカ)


消石灰





B ロックウール    

 ロックウールは人造鉱物繊維です。原料は鉄を生産する際に出てくる「高炉スラグ」や、玄武岩などの「天然岩石」で、それらを1,500から1,600°Cの高温で溶かしたのち、強い遠心力で吹き飛ばすことで繊維状に加工しています。原料が溶けた状態の温度が高いので、ロックウール自体も熱や火に強い特徴を持っています。

 ロックウールは鉱物(無機物)由来の素材のため、燃えにくいばかりで無く湿気に強いという性質があります。人体に有害なアスベストと混同されがちですが、全く別の物質なので安心です。

 また、アスベストを一切含まない建材であり 建築の材料として、吸音・断熱・保湿・耐火目的に広く使用されています。 表面はガラスクロスで仕上げておりますので壁にそのまま使用できます。 グラスウールよりロックウールの方が、湿気に強くカビが発生しづらい材料です。

吸音性

ロックウールの吸音率は一般に周波数の増加とともに大きくなり、ある周波数でほぼ一定値に達します。 低音域(周波数が低い領域)の吸音率は高音域に比べて低くなりますが、ロックウールの厚さを増やすことにより改善されます。 また、製品の密度を増すことで低音域の吸音率は上がります。
断熱性

ロックウールは微細な繊維の隙間に大量の空気を含むため、抜群の断熱効果を発揮します。この優れた断熱性能は、断熱材として建築物や工業施設、各種装置に使われており、また保温や保冷のための素材としても産業界に広く
保湿性

ロックウールはグラスウールに比べて、時間がたっても吸湿する傾向が小さい。

耐火性

ロークウールはスーパーマーケットの駐車場などで、鉄骨部分に吹き付けられていることからも分かるように、耐火性に優れています。




高炉スラグ(高炉のカス)


精製されたロックウール




C スレート    

天然スレートは粘板岩を薄い板状に加工した建築材で、屋根材や外壁材として使用されています。 粘板岩を素材としたものは「天然スレート」と呼ばれ、青黒色で独特な模様を成しているのが特徴です。 自然の風合いを生かした高級感のある素材ですが、価格が高いため日本ではあまり普及していません。

 化粧スレート(人工スレート)は化粧スレート:セメントに繊維素材を混合して薄い板状に加工した屋根材として利用されています。化粧スレートは、ボードや波板として加工されたものが利用されています。

不燃性

天然石から取ったスレートもセメントなどで固めた化粧スレートも不燃材です。

耐火性

屋根や外壁において他の不燃材と組み合わせて屋根材として耐火性能が生じます。

経済性

セメント製品は価格が安価です。また、耐久性があり30年以上性能を維持できます




粘板岩(英名:スレート)


天然石で出来たスレート




次のページでは、石膏ボード、ケイ酸カルシウムボード、ロックウールボード、スレートボードの順に考察していきます。



画像出典:Wikipedia(石膏石)
画像出典:アリババ(石膏の粉)
画像出典:Wikipedia(二酸化ケイ素(シリカ))
画像出典:近江鉱業株式会社(消石灰)
画像出典:Wikipedia(粘板岩原石)
画像出典:JFEロックファイバー株式会社(高炉スラグとロックウール)
画像出典:Wikipedia(粘板岩)
画像出典:モノタロウ(天然石スレート)




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