| 階の字の左側(コザトヘン)は山を登る段を意味します。右の「皆」は音を表す言葉です。転じて、「きざはし」「はしご」は階段を意味します。「段」は仕切り、区切りといった意味をもっています。
よく、西欧の階段は、祭壇から発展し、日本の階段ははしごから発展したものだといわれます。そうすると、私達の住いの階段がどうしてこれほど狭くて急な勾配なのかが合点できます。もともと平屋を原型とする日本の家では、階段の歴史が浅く、二階の利用はなくはなかったのですが、物置だったり、作業床だったりして、上り下りもはしごや、それよりいくらか発展した急な階段程度だったようです。
大正時代に入り、二階を普通の部屋として使うようになっても、この時でも階段の様子は変わらなかったようです。
戦後、昭和25年に建築基準法が施行されて、住宅の階段の最低寸法が明確に規定されました。住宅の柱割の間隔が910ミリを基準として、規定されたのではないかと思われます。幅750ミリ蹴上230以下、踏み面150ミリ以上がそれです。なお、住宅の階段の法規制については、当サイトで詳しく解説しています。
これはあくまで、最低寸法です。この寸法の階段は、急で狭く、家庭内事故の多発場所です。国の統計で階段が原因で、一年に800人以上が死亡しています。
ところで、階段の途中に設けた平らな部分は「踊り場」とよびます。英語ではlanding(上陸、上陸するところ)とかmiddle floor(中央の床)と呼ばれています。 日本では、鹿鳴館時代に舞踏会に訪れた貴婦人たちが踊り場で向きを変える際、フワリとひるがえるドレスの裾を見て踊っているようだと当時の人が感じたことから「踊場」と呼ばれるようになったといわれています。
木造以外の階段では、階高の一定以上ごとに一箇所づつ設けなければならない事になっていますが、日本の木造住宅などでは、階高が低くその心配はありません。階高とはある階からある階までの高さをいいます。たとえば、1階から2階まで。 あるいは2階から3階までとかの高さです。
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