| 台盤所(だいばんどころ)が転じて台所になりました。台盤とは食物を盛った皿を置く台をいいます。これから、煮炊き、調理、配膳をする部屋を台盤所というようになったようです。
古くは平安時代には台盤所はありました。当時は、内裏や摂政家など皇室の政治の中心の女房達の飲食する部屋でしたが、中世に入って武家社会にも広がり、料理をする部屋を意味するようになりました。
近世には、庶民にも広がって、料理、配膳のほか、家計の遣り繰りすることにも使われました。現代でも、「台所は火の車」だ。などと使いますね。
台所の名前の由来には更に「炊き所」から転じたという説もあります。他に、「厨(くりや)」などともいいます。
私の地域では、昔は台所のことを「走り(はしり)」といいました。由来はわかりませんが、料理が忙(せわ)しない仕事であることから、転じて走り回る様子から来ているのかもしれません。走りの右端には同じ高さで、大きな水亀(みずがめ)が埋まっており、そこに井戸水を汲んできて貯め、炊事の時に使いました。 木の蓋があったのですが、蓋を閉め忘れて、ネズミが堕ちて死んでいるのを知らずに水を使ったこともありました。
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